アナログ写真に関する5つの質問:濱田英明氏

最新シリーズ「アナログ写真に関する5つの質問」は同じ5つの質問をフォトグラファーの方々にインタビューする企画。今回お答え頂いたのは、濱田英明氏です。フォトグラファーとして、国内外問わず多くのメディアに取り上げられている濱田氏はウェブデザイナーであり、ミュージシャンとしてもご活躍されています。彼の撮影する写真は、主に家族写真。透明感があり、やわらかな空気を感じます。

All Rights Reserved Hideaki Hamada / Pentax 67II / KODAK PORTRA 400

Q1: あなたのことを教えて下さい!
濱田英明と申します。大阪でウェブデザイナーをしています。妻と、そして晴と皆という息子たちがいます。故郷は兵庫県の淡路島で、私の作品にもたびたびその風景が登場しています。また、 Songbird というユニットでたまに音楽をつくったりもしています。

Q2: なぜ今もアナログ写真を撮っているのでしょう?
元々フィルムカメラをずっと使っていたのですが、長男が生まれた頃にデジタル一眼レフカメラを使い始めました。愛しい子供を撮ること、デジカメを使うこと、それ自体がとても楽しく、たくさんシャッターを切りました。しかし、デジタルカメラでは、気付かないうちに何十、何百という枚数の写真を撮ってしまいます。なにかと便利である反面、多くは撮ったことさえも忘れてしまうような写真ばかりになりがちです。一方、フィルム写真、とくに私が使うような中判カメラを使う場合、フィルムロール一本で10枚という制約があるので、いかに想いのこもった写真をのこすか、ということを自ずと意識するようになります。撮影するときはファインダーの隅々までに注意を払い、シャッターを押すタイミングを大切にするようになります。なにより、撮った写真は忘れられることなく記憶に刻まれます。私は、それがフィルム写真の魅力だと思っています。

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Q3: あなたのバッグにいつも入っている写真機材は何ですか?(カメラ、フィルム、アクセサリー)
Pentax 67II(カメラ)
SMC Takumar 6×7 105mm F2.4(レンズ)
SMC Takumar 6×7 90mm F2.8(レンズ)
KODAK PORTRA 400(フィルム)
ブロアー、レンズクロス、レンズクリーニング液

Q4: あなたが撮るような素敵な写真にする為のテクニックを教えて下さい!
私の作品はほぼ家族の写真なのですが、彼ら、とくに子供たちを撮影するときは、できるだけ客観的な視点を持つことを意識しています。近すぎず遠すぎず、彼らを後ろから見守るようにして写真を撮ります。その行為は、観察する、というのに近いかも知れません。ですので、その距離の分だけ、そこに見え隠れする空気を大切にして撮影しています。たった一枚だけでも、見た人がそれまでとそれからの物語を自由に想像できる写真になるように心がけています。私は、そうすることによって写真に普遍性が生まれると思っています。そして、彼らが「生きている姿」を誰かに伝えるには、その普遍性が不可欠なのです。また、人はつい決定的瞬間を写真におさめたいと思うものですが、一方で、子供達は常に笑ったり泣いたりしているわけではありません。むしろ、なんでもない表情をしていることのほうが多いのです。私はそいう日常の世界で生きている子供達の姿を写真で残したいと考えています。そうすることで、時折見せる最高の表情が活きてくるし、ずっと眺めていても飽きない写真になると思っています。

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Q5: あなたに影響を与えたフォトグラファーは?
日本のみならず世界中にいる私のようなアマチュアカメラマンたちです。彼らは、プロではないにも関わらず、信じられないくらい素晴らしい写真を撮るのです。彼らの写真を眺めて、どんなふうに撮影したのか?
どんな気持ちが込められているのか? そんなことを考えながら、彼らと交流することが私の日課にもなっています。

濱田英明さんのウェブサイト:
http://hal.petit.cc/
http://www.flickr.com/photos/hamadahideaki/

written by kyonn on 2011-09-06 #lifestyle # # #5 #

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